日商簿記検定2級を取得された皆様、おめでとうございます!
日々の研鑽が実を結び、確かな会計知識を身につけられたことは、今後のキャリアにおける大きなアドバンテージとなるでしょう。
さて、簿記2級を取得し簿記の基礎を身につけた今、何を次なる目標とすべきか、真剣に考えている方も多いのではないでしょうか。
現在の経理部門は、かつてないほどの変革期を迎えており、従来の知識だけでは対応が難しくなりつつあります。
このような時代だからこそ、私は簿記2級を土台として、「USCMA(米国公認管理会計士)」の学習こそが、皆さんのキャリアを力強く押し上げ、未来の経理プロフェッショナルとしての道を切り拓く最適な選択肢だと確信しています。
この記事では、簿記2級をとったら、次のステップとしておすすめする「USCMA(米国公認管理会計士)」を紹介します。
押し寄せる変革の波:経理部門が直面する課題
近年のテクノロジー革新とグローバル化の進展は、企業のビジネスモデルだけでなく、それを支える経理部門の役割にも大きな変化をもたらしています。
AI・RPAによる業務効率化の加速と求められるスキルの変化
かつて経理部門の中心的な業務であった伝票入力、仕訳、集計といったルーティンワークは、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といったテクノロジーによって急速に自動化されつつあります。
これにより、人的ミスを減らし、業務効率を大幅に向上させることが可能になりました。
しかし、これは同時に、経理担当者に求められるスキルが大きく変化していることを意味します。
単に数字を正確に処理するだけでなく、自動化されたデータから意味を読み解き、経営判断に役立つ情報を提供する能力、そして新たなテクノロジーを理解し、業務に取り入れる柔軟性が不可欠となっています。
データドリブン経営の深化と経理部門の新たな役割
現代の企業経営においては、勘や経験に頼るのではなく、データに基づいた意思決定を行う「データドリブン経営」が主流となりつつあります。
経理部門は、日々の取引データという企業の重要な情報を最も多く保有する部門として、その分析と活用において中心的な役割を担うことが期待されています。
過去の財務状況を報告するだけでなく、データを多角的に分析し、将来の予測やリスクの発見、経営戦略の策定に貢献することが、これからの経理プロフェッショナルにとって重要なミッションとなります。
グローバル化の波と国際的な会計知識の重要性
国境を越えたビジネス展開を行う企業が増加する中、経理部門は、異なる会計基準や税制、為替リスクなど、グローバルな視点での対応が求められるようになっています。
国際的な会計基準(IFRS)の知識や、海外子会社の管理、国際税務に関する知識は、グローバル企業で活躍するために不可欠な要素です。
戦略パートナーとしての期待
これまでの経理部門は、コストを管理する「コストセンター」としての役割が主でしたが、今後は、経営戦略の策定や意思決定をサポートし、企業の収益向上に貢献する「プロフィットセンター」としての役割がより一層求められるようになります。
そのためには、財務の知識だけでなく、ビジネス全体を理解し、戦略的な視点を持つことが重要となります。

なぜ今、簿記2級の次にUSCMAが最適解なのか?
このような現代の経理部門を取り巻く環境の変化を踏まえると、簿記2級の知識を土台として、USCMAを学ぶことが、皆さんのキャリアを大きく飛躍させるための最適な戦略と言えるでしょう。
その理由は以下の通りです。
戦略的な管理会計に特化した知識体系
USCMAは、財務会計が中心である簿記検定とは異なり、企業の戦略的意思決定を支援するための管理会計に特化した資格です。
コスト管理、予算管理、業績評価、意思決定分析といった 管理会計の知識を体系的に学ぶことで、データに基づいた分析力や、将来を見据えた戦略的な思考力を養うことができます。
これは、まさに現代の経理部門に求められているスキルと合致します。
出題範囲の主なテーマ | 日商簿記検定 | USCMA(米国公認管理会計士) |
---|---|---|
財務会計 | 主に財務諸表の作成、会計基準、税法など | 財務報告、計画、業績評価、内部統制など |
管理会計 | 原価計算、財務諸表分析など(級によって範囲が異なる) | 予算編成、原価管理、業績評価、意思決定分析など |
ビジネス環境と概念 | 商業簿記・会計学で一部触れる程度 | 経済学、グローバルビジネス、情報技術(IT)、倫理など |
戦略的意思決定 | 範囲は限定的 | 投資決定、リスク管理、プロフェッショナル倫理など |
上記のように、簿記検定が主に過去の取引を記録・報告する財務会計に重点を置いているのに対し、USCMAは将来の経営判断や業績管理に役立つ管理会計を広範にカバーしています。
また、グローバルなビジネス環境や戦略的意思決定といった、より経営に近い知識も問われるのが特徴です。
試験科目 | 試験時間 | 内容 | |
Part1 | Financial Planning, Performance, and Analytics (財務計画、業績管理および分析) | 4時間 | 選択問題100問:3時間 記述問題2問:1時間 |
Part2 | Strategic Financial Management (戦略的財務管理) |

グローバルスタンダードとしての信頼性とキャリアの広がり
USCMAは、アメリカの管理会計士協会(IMA)が認定する国際的な資格であり、その専門性と信頼性は世界中で高く評価されています。
英語での学習が必要となりますが、その過程でグローバルなビジネスコミュニケーション能力も向上し、外資系企業や海外展開を行う日本企業など、グローバルな舞台でのキャリアチャンスを大きく広げることができます。

テクノロジーとの親和性と将来性
USCMAの学習範囲には、データ分析の手法や、テクノロジーを活用した業務効率化に関する知識も含まれています。
これは、AIやRPAといったテクノロジーが進化し続ける現代において、経理プロフェッショナルが新しいツールを理解し、活用するための基礎となります。
テクノロジーを味方につけることで、より高度な業務に注力し、自身の市場価値を高めることができます。
財務の知識を戦略に繋げる架け橋
簿記2級で習得した財務会計の知識は、企業の過去の財務的な状況を理解するための重要な土台となります。
さらに、USCMAを学ぶことでその財務会計の知識を将来の経営戦略や意思決定に活かすための「架け橋」となる管理会計の知識を習得することができます。
過去の数字から未来を予測し、企業の成長に貢献できる人材へと進化できるのです。
まとめ:簿記の知識を土台に、その先にある戦略的な管理会計へ
これまで、日本の会計資格といえば簿記検定が大きなシェアを占めていました。経理・財務部門を目指す多くの方が、まず簿記の資格取得を目指すのは当然の流れです。
しかし、AIやRPAといったテクノロジーの急速な進化よって経理・財務部門に期待される役割は変わりました。
これからの経理・財務人材に求められるのは、単なる記帳や計算スキルではなく、AIが処理できない、より高度な分析力、戦略的な思考力、そして経営判断を支援する能力なのです。
まさに、USCMAが提供する知識体系は、これらのニーズに応えるものと言えるでしょう。

もちろん、簿記検定で培われる会計の基礎知識は非常に重要であり、USCMAを学ぶ上でも土台となります。
もし、あなたが、
- 経理・財務部門で更なるキャリアアップを目指したい
- 単なる会計処理だけでなく、経営戦略にも深く関わりたい
- グローバルなビジネス環境で活躍できる知識を身につけたい
そう考えているなら簿記検定の次のステップとして、今こそ簿記2級で培った知識を土台に、USCMAという新たな目標に挑戦し、自身の市場価値を飛躍的に高めてください!
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